EVENT
☆イチオン ICHION☆その2


イチオン1.jpg
羊蹄山


キラライラによるレコーディング秘話その2
洞爺湖の中島でレコーディング。

3度目には洞爺湖と羊蹄山でレコーディングをしました。

羊蹄山はアイヌの神話で神様が最初にこの世界に降り立った場所として、聖地とされている山です。羊蹄山が良く見え、羊蹄山の気を十分に感じられるポイントを選んでレコーディングを行いました。

訪れる場所とレコーディングする場所を選定するにあたり、アイヌ民族の神話や昔話を参考にしております。

まず、神話や昔話の中から、「神様がいたとされる場所」を候補とし、さらにその中から、自分たちが直感で行きたいと思った所を、最終的にフィーリングで選んでいます。 

洞爺湖では翌日のレコーディングに備え、湖のすぐ近くに宿をとっていました。

宿へは夜遅くに到着したため、周囲は真っ暗でどこに何があるかよく分からないまま宿に入りました。

レコーディング当日の朝、部屋の中で寝ていて、ふと気配を感じて目を覚ましました。

洞爺湖が、自分の部屋から見てどちらの向きにあるのかも知らなかったのですが、足元の窓の向こうの方から、何やら光り輝く虹のような神気のようなものを感じたような気がしました。

足元の窓の向こうに、洞爺湖と中島があって、そこが虹色の光に覆われているようなイメージが浮かんだのです。

起きて、窓の外を見てみると、実際にその方向に洞爺湖と中島があったので、驚きました。

それ以来、私には洞爺湖の中島は、キラキラ神々しく光る「神の島」にしか思えなくなりました。


その後、船で中島に上陸し、島の森の中の、あまり人気のない、なんとなく気に入った明るい場所を選び、カムイユカラ(神謡)を謡い始めました。

すると、私には霊感がないので、姿かたちなどが見えるわけではありませんが、謡い出してすぐに、私の周囲にたくさんの気配を感じました。

その気配たちは、とても耳をそばだてているような感じでしたので、即座に、「ああ、ユカラを聴きに来られたのだな」と思いました。

アイヌの方々の霊なのか、(宮崎アニメのもののけ姫に出てくるコダマのような?)自然霊なのかはわかりませんが、やはりこの土地の霊たちはユカラが大好きなのだなあとしみじみ実感いたしました。

もっと覚えて、謡ってあげたいなあと思いましたが、不勉強でできない自分を少しはがゆく思いました。


このような気配を感じたのはこの時だけですが、私が感じられないだけで、北海道全土の大自然の中には、今もこのようなアイヌの方々の霊や、アイヌの方々の感じた自然霊が、たくさん息づいているに違いないと思いましたので、その後も謡う時は彼らのことを思いながら、心を込めて謡うようにしました。



イチオン5.jpg
ニセコ


キラライラによるレコーディング秘話その3
知床五湖で体験したこと

話が前後してしまいますが、1度目の滞在で知床五湖を訪れた時に感じたことです。
その時、非常に天気が悪く、次の日の予定が果たして予定通りにいくかどうか、微妙な状況で、とても気をもんでいました。

そんな中、訪れた知床五湖は、とても暗く、今にも雨が降り出しそうな中、突風が吹き荒れる荒天でした。

私は、人気のない知床五湖で突風にひたすらさらされているうちに、景色がとても美しく見えて、心に響き、それと同時に突風により、自分の中のいろいろなものが洗い出されていくように感じました。

それは、自分でも気づかないうちに溜まっていっていた、自分という人間の驕りでした。
お金を出せば、時間を費やせば、労力をこれだけ費やせば、何でも自分の思い通りにことが運ぶだろう。


思った通りのものが得られるだろう、行けるだろう、見れるだろう、食べれるだろう、感じられるだろう、触れられるだろう。それが当然だ。

そのような考えを、どれほど自分が強く、感覚として持っていたかを思い知らされ、自分の傲慢さに嫌になり、私は泣きました。

自然に、私は勝てると思っていたのでしょうか。私がどんなにそうしたいと思っても、自然の力の前ではなにひとつ叶わないのです。諦めるしかないのです。いさぎよく、諦めて自然に身をゆだねるしかない。

自然と神とに自分を全て投げ出して、全ての身を任せる、ということを、自然とともに生きてきたアイヌ民族はよく知っているのだろうと思いました。それに比べて自分のなんとちっぽけで傲慢なことか。自分の傲慢さや汚れた思いを、知床の神により、芯から気づかされました。

自然への心からの畏敬の念なくしては、アイヌ民族の本当の心を理解することはできないだろうと思うので、今にして思えば、これがアイヌの神からの最初の洗礼だったのかもしれません。


長々と、個人的な感覚を、ひたすら書いてしまいました。

これらのことは、非常に主観的で、思い込みや妄想としか思われないような事柄ですので、人さまにお伝えするようなことでもないと思い、今まで誰にも話しませんでした。何らかの参考になれば幸いです。


イチオン6.jpg
ニセコ


[写真]アライシアキラ