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☆イチオン ICHION☆その1


東京から大磯に移転して10年目の2016年夏に磯田秀人が巡り合った大磯在住のユニット「イチオン ICHION」とのコラボレーションが2017年に誕生します(当初4〜5月中旬とお伝えしていた発売時期が延びております)。

ピンポイントが発売を予定しているCD『イチオン ICHION』(仮題)です。

収録曲は全曲アイヌの神謡(しんよう)というユニークな題材に加えて、打ち込みによるバラエティに富んだサウンドが唯一無二な魅力をいやがうえにも掻き立てます。

年齢的には磯田の子供世代にあたるユニット「イチオン ICHION」ですが、電子楽器の処理によるアバンギャルドなサウンドやリズム・パターンもさして違和感なく心地良く響いてくるのが不思議といえば不思議です。


先ずはこの曲をお聞きください。


〜音源・その1〜
ケッカ ウォイウォイ ケッカ〜ウサギが自ら歌った謡〜


アイヌには文字がなく、物語や言い伝えは口伝により紡がれてきたとのことですが、今回のCDもそういった伝承文化の元に成立しています。

歌の意味や言葉は皆目わからないのに耳馴染みが良いので何度でも聴きたくなってくる、サムシングなエナジー満載の「イチオン ICHION」の世界をご一緒していただければ幸いです。


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ニセコ


[イチオン ICHION]プロフィール
京都でオルタナジャンクバンドTORICOでG,Vo,Sax,
Electronicsを担当していたアライシアキラが、2008年のバンド活動停止後ソロワークとしてイチオン ICHIONを始動。自作楽器や環境音を中心に取り入れた、電子的な実験音楽を開始。

2011年京都のレーベルshrine.jpからファースト・アルバム『Hi [拝]』をリリース。
その後、vocalにキラライラが加入。

アイヌ民族の伝統音楽に影響を受け、アイヌ音楽をベースにした楽曲製作を行う。2013年から2015年の間、数度北海道にわたりフィールドレコーディングを行う。

2017年3月アメリカ先住民族のズニ族の元へ音楽修行の旅に出る。現地で、キラが世界的に活躍するズニ族の音楽家フェルナンド・セリシオン氏(Fernando Cellicion)に弟子入りし、歌唱指導を受けた。


メンバー:
アライシアキラ (サンプラー・エレクトロニクス)
キラライラ(ボーカル)


電気技師でもあるアライシアキラはほとんどの楽器を手作りします。実家の庭木を使ったベースやシンセサイザー等の自作楽器の全容はこちらをお読みください。

また、これは正式には公表されていないことですが、アライシアキラは大磯で「マナ・サウンド・ヒーリング」を主宰する音叉のサウンド・ヒーラーでもあります。


実は磯田が「イチオン ICHION」と知り合ったきっかけはアライシアキラに音叉の施術を受けたからなのですが、これは2004年の牧野持侑さんとの出会いに似ています。

あの時は牧野さんのクリスタルボウルを聞いて「めまい」が治ったのですが、今回アライシアキラに治していただいたのは股関節のズレでした。

アライシ自身は特に音叉を意識した音作りはしていないと言いますが、身についたヒーラーとしての素養は無意識のうちにサウンドに反映されているのかもしれません。

今回発売するCD『イチオン ICHION』(仮題)の曲順を決めるために何度か曲を聴いていて感じたことがあります。それは「おかしみ」でした。

笑いがあるのです、彼らの音作りの根底には。

笑いはヒーリング(癒し)の最高のツールですので、これは素敵なワザだと思います。


〜音源・その2〜
トーロロ ハンロク ハンロク〜カエルが自らを歌った謡


変幻自在なアライシアキラの音作りに一際大きな華を添えているのはキラライラの奇妙な声、Strange Voiceです。キラライラ、すごい才能です。

ぶっきらぼうかと思えば時として醒めていて、曲により幼子のあどけなさと老女のしたたかさを瞬時に使い分けるキラ ライラとはどんな女性なのでしょう。


キラライラ (ボーカル)
ニューウェーブ3ピースバンド「Current Mirror」でベースボーカルを務める。
ある時、自分たちのやっている音楽は欧米人の真似ではないかと気づき、バンド活動に疑問を持つ。

欧米からの影響を受ける以前の、戦前の日本の音楽(民謡や雅楽、能楽)及び西洋音楽の影響を受ける以前の世界各地の民族音楽に強い興味を持ち、それらをヒントに日本人のアイデンティティを表現できる音楽づくりを模索する。

バンド解散後、ボーカルに専念するべく福島英の「ブレスヴォイストレーニング研究所」に1年通う。

芸能山城組のトップソリストが講師を務めるブルガリアンボイスの講座に1年通う。
その間、芸能山城組のメンバーとともに新宿三井ビルディングにて行われる「芸能山城組ケチャまつり」にて、山城組メンバーとともにブルガリア女声合唱に参加。

イチオン ICHION加入後は、アイヌ民族の文化に強く共鳴し、ボーカルとして自然の心を感じながら声を出すことに務めている。


今回のCDの収録曲はすべて北海道で録音したものですが、録音場所はスタジオではなく、阿寒湖や洞爺湖等の野外だというから驚きます。

録音はキラライラのボーカルのみをハンドマイクで収録。あとでアライシアキラが音をかぶせるとは言え、野外で無伴奏で歌うのは大変だったと思います。


長くなりますがキラライラにレコーディング秘話を綴って頂きましたのでご紹介いたします。


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洞爺湖


キラライラによるレコーディング秘話その1
北海道にはこれまで3度滞在しました。

アイヌ民族の音楽をモチーフにして楽曲製作をすると決めた時、それならばまず実際に北海道へ渡り、アイヌ民族の世界に直に触れなくてはならないと考えました。

ですので1度目の滞在の時は、まだ楽曲製作はおろかレコーディングはせず、二風谷(にぶたに)のアイヌ資料館、阿寒湖のアイヌシアターなどを巡り、知床でアイヌの方によるガイドツアーなどを体験し、アイヌ民族への理解を深めました。


二度目には、レコーディングを目的として阿寒湖へ訪れました。

阿寒湖を選んだ1番の理由は、1度目の滞在の時に阿寒に訪れて、阿寒国立公園の大自然に感動し、非常に気に入ったからです。

阿寒には今もアイヌ民族の方々がたくさん暮らしておられていて、そこここにアイヌ文化の気配を感じられる、素晴らしい所です。

かつ、北海道の中でも不便な場所にあるため、雄大な自然が手つかずのまま残っており、人間の気配よりも、大自然の気の方が圧倒的に勝っている土地でもあります。

そのような所が、自然との共生を続けるアイヌという民族の謡を謡うのに、最も適した場所だと考えたからです。

また、理屈抜きで、阿寒の森の空気が、自分にとってとても心地よく、懐かしい故郷のように感じられる場所であるということもあります。

そのような「阿寒」という土地に意味を感じているので、実際の録音を凍結した阿寒湖上で行ったことに関しましては、特に意味はありません。
 

こぼれ話になりますが、当日、阿寒湖の凍った氷上で、気温マイナス5度の中、日の出に合わせて1発勝負で録音しました。アライシアキラによりますと「周囲を山に囲まれた湖」という状況で、ここまでの無風は中々ない、というか奇跡に近い、との事でした。


その後、たまたま立ち寄った網走の海岸でも、「ここで謡おう」と感じて、レコーディングをしました。
網走海岸では、オホーツク海を臨み、シャチの神のことを想いながら、「シャチの神の謡」を謡いました。



〜音源・その3〜
トワ トワ ト〜キツネが自ら歌った謡〜


キラライラによるレコーディング秘話その2
洞爺湖の中島でレコーディング。

*続きはこちらをお読みください。


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ニセコ


神秘体験にも似た洞爺湖での出来事やアイヌの神の洗礼とも思える過酷な天候を通してキラライラは「自然への心からの畏敬の念なくしては、アイヌ民族の本当の心を理解することはできないだろう」という深い境地に到達することになります。

今回試聴していただいた3曲を含む全13曲収録(予定)のCD『イチオン ICHION』は2017年7月に発売予定です。

[写真]アライシアキラ



text by金子夏枝

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