万歩計日和
文/写真・mizugame
02.07.04(木)
開高健が好きだ(万歩計付け忘れ)

待ちあわせの間に書店を覗き、開高健の文庫を見つけた。

最近は小説を全く読まなくなったけど、むさぼり読んでいる時
代に、ぼくが一番好きな作家は開高健だった。
開高健を初めて読んだのは大学一年の時。講談社の現代文学全
集『われらの文学19/開高健』に収録されている「日本三文
オペラ」「パニック」「裸の王様」「流亡記」「ロビンソンの
末裔」を読んで、ショックを受けたからだ。

まず、その前に、何できっかけで、読書が趣味になったかの話
をしよう。
小学校高学年になって「名探偵ホームズ」と「怪盗ルパン」、
ふたつのシリーズを立て続けに読んだくらいで、ぼくは、それ
ほど本が好きだったわけではない。
中学に入ると同時に映画と音楽に興味を持ち始めたけど、本は
読まず、高校一年の夏休み前まで、ぼくには読書する習慣はま
ったくなかった。

高校一年の夏休みの宿題が、ぼくが本を読むきっかけとなった
んだ。宿題は、三冊の本の中から一冊を選んで感想文を書けと
いうものだった。
本に興味のないぼくは、一番短い小説、川端康成の「伊豆の踊
り子」を選んだ。だめだ、面白くもなんともないので、とても
感想文を書けなかった。
残るは二冊だけど、「カラマーゾフの兄弟」に挑戦する気力は
なかったので、必然的に最後の一冊、夏目漱石の「それから」
を手に取った。
この小説でぼくは読書にはまってしまい、いままで素通りして
いた、物語を読む快感に目覚めたんだ。

漱石の面白さにビックリしたぼくは、漱石作品全読破、そして
漱石が影響を受けたドストエフスキー作品を全読破したのをき
っかけに、洋邦を問わず、次から次へと世界文学全集を読みふ
けった。幸い高校への通学には往復4時間ほどかかるので、本
を読む時間はたっぷりあったしね。
音楽、映画に続き、読書が趣味に加わったので、それ以来、年
間100本の映画を観て、100枚のレコードを買って聞き、
100冊の本を読む、ことを目標とした。

毎年、本やレコードは目標に達したけど、映画の本数がきわど
かった。大学に入ってからは、毎年12月になると池袋の文芸
座のオールナイト5本立てを何度か見に行き、数合わせをした
もんだ。

っで、読書の話に戻ろう。
片っ端から世界文学全集を読み漁っていたぼくが、漱石、ドス
トエフスキーに続き読みふけった作家が開高健だった。

日本の純文学には弱々しいものが多かったけど、開高健の小説
は骨太だった。世間の圧力に立ち向かう力強い主人公、見事な
ストーリー・テリング、日本の作家には珍しいユーモアのセン
ス。「パニック」「裸の王様」「日本三文オペラ」「ロビンソ
ンの末裔」どれもが面白く、開高健作品もすべて読破した。
何よりも感動したこと。それは、純文学にも面白いお話がある
じゃないか、ということだった。

このあたりからぼくは、感動する物語よりも、笑えたり、奇想
天外な物語に興味がスライドしていった。開高健がマイブーム
になり、1970年直木賞受賞作、野坂昭如の「アメリカひじ
き」と、北杜夫の「楡家の人々」を読み、ぼくは純文学から離
れ、エンタテインメント小悦を読み始めるようになった。

この話は長くなるので、本日は店仕舞い。
この続きはまた、明日。

本日の収穫
・本「知的経験のすすめ」開高健著(青春文庫)
・読了「ブルース飲むバカ歌うバカ」吾妻光良(BMR BOOKS)

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