万歩計日和
文/写真・mizugame
今日の写真
ジャズ・シンガーの後ろ姿
06.01.15(日)
日がな黒澤明な日(0歩)

ちょっと風邪気味だったので、
布団の中でごろごろしながら「黒澤明と“用心棒”」都築政昭
著(朝日ソノラマ)を読んだ。

映画館で、テレビで、ビデオで、DVDで、
何度も何度も何度見ても飽きない大〜好きな映画はというと、
スタンリー・キューブリックの「バリー・リンドン」、
オーソン・ウェルズの「市民ケーン」、
テリー・ギリアムの「未来世紀ブラジル」、
黒澤明監督の「七人の侍」。
その4本に続くのが「用心棒」かな。

以前読んだ同じ著者の「黒澤明と“七人の侍”」も面白かった
ので、この新刊もすぐ図書館で借りてきた。
大好きな映画の裏話は面白いからね。

例えば、
主人公(三船敏郎)のライバル仲代達矢の役は、
最初のキャスティングでは三橋達也が予定されていたこと。
わざわざ大映から呼ばれた巨匠宮川一夫が撮影した映像は、
実際には30%程度しか採用されず、
ほとんどが、当時無名だったアシスタント・カメラマンの斎藤
孝雄が撮影したものが使われたにも関わらず、
彼の名前はスタッフ・クレジットに登場しない。
逆に、宮川一夫がカメラ人生を回顧録した本「キャメラマン一
代」では「用心棒」のことは一言も語られていない。

「用心棒」は上州が舞台なので、
からっ風が重要な風景として何度も吹きまくる。
画面をおおいつくしてしまうあの砂ぼこりは、
石炭ガラを敷いた上に塩と土をまいて踏み固め、
その上に石ころと枯れ葉、戸塚の射撃場から運び込んだ何トン
ものほこりをまき、
セスナプロペラの扇風機1台、
V8フォードのエンジン付き扇風機2台、5馬力モーターの扇風
機3台をフル回転させた。
扇風機の風が弱いと砂ぼこりが少ない。
演技と砂ぼこりのタイミングがずれる。
突風が人物に当てるレフ板を動かしてしまうので、照明が外れ
る、砂ぼこりが舞うと俳優は目が開けられない。
黒澤監督の罵声が次々に飛び、
撮影現場は一大修羅場と化したこと。

映像で表現するには普通の三倍は強調しなくては伝わらないと
いうのが黒澤監督の映画哲学。
どんな嘘をついたのかの裏話が書かれているので、
映画好きにとっては堪らなく面白い。
老眼をものともせずに一気に読み終わってしまった。

もちろん、読み終わった後に、
クライテリオン社でリ・マスタリングされたDVD「用心棒」を
とり出して観てしまい、
それで終わらず勢いにのって三十郎シリーズ2作目の「椿三十
郎」まで観てしまった。
ほんとうに映画っていいですね〜な幸せな一日だった。

ってなところで、本日は店仕舞い。
また、明日。

本日の見聞録
・読了「黒澤明と“用心棒”」都築政昭(朝日ソノラマ)

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