万歩計日和
文/写真・mizugame
今日の写真
2007年の本日の写真です。
19.05.02(木)
旅行嫌いでも世界は書ける。(13,413歩)  

起床07:05 体温36.2℃(09:35) 体重54.2Kg。

昨日書いた映画『80日間世界一周』についてもうちょい書いときます。


何年か前のある日のこと幼馴染の女性から一通のメールを着信した。


「小学校の時の作文集に磯田君の書いた文章が載っていたのでメールで送るね」


何日後かに着信したPDFがこれです。


80日間世界一周.jpg


読みにくいのでタイプしました。


l映画「八十日間世界一周」を見て。
四の五 磯田秀人
きょう、ぼくは、「カンテン、フラス」という人のでた、「八十日間世界一周」という映画を見ました。映画かんは新しくて、エスカレーターがあって、中には、冷ぼうそうちがあってすずしかった。ぼくが、その映画で一番おもしろいと思ったのは、フランスでききゅうのようなものにのって、空の旅をした時、アルプスの山の中で、氷を取っておさけを冷やしていた所だ。それから、インドでは、牛は神様のおつかいで、牛がなにをしてもおこらないのにはおどろいた。
映画に日本がでた時は、大仏さまがうつっていた。アメリカ大陸で、インデアンにおそわれたり、スペインでは、とうぎゅうしになったりして、とてもおもしろかったので、はじめからおわりまでわらった。



四の五とは小学校4年生の5組。


その年(1957年)にロードショー公開された『八十日間世界一周』の感想文だ。


フランスのSF作家ジュール・ベルヌが1873年に発表した原作を1956年にアメリカで制作した70ミリ(トッドA0方式)映画。


ひげそりに使うお湯の温度を1°C間違えたために解雇されてしまった執事の後釜として派遣されたフランス人の若者が雇われた日から物語は始まる。


ご主人さまは毎日社交クラブに集まりトランプで暇つぶしをしている大富豪の貴族。


その日社交クラブで大変な賭けが行われた。


80日間で世界を一周できるかどうかという賭けだ。


異常なまでに規則正しく緻密な生活を好むご主人さまは80日間で世界を一周することは可能だと言い張る。


全財産の半分20,000ポンドを旅費に当て残り20,000ポンドを賭け金にしたご主人さまと新執事との旅が始まる。


主演はデヴィッド・ニーヴン、お供する執事が「カンティンフラス」と呼ばれた世界的コメディアンのマリオ・モレノ。途中からシャーリー・マクレーンが同行することになる。


巨大なスクリーンに映し出される上質な観光映画とも言えるこの映画には数十名のスターがちらっと出演する。


これ以降このような出演をカメオ出演と名付けるようになった。


フランク・シナトラ、マレーネ・ディートリッヒ、、ピーター・ローレ、バスター・キートン、レッド・スケルトン、トレバー・ハワード、ジョージ・ラフト、シャルル・ボワイエ、ジョー・E・ブラウンなどなど。


感想文の「アルプスの山の中で、氷を取っておさけを冷やしていた所」とは二人が気球に乗ってイギリスを飛びたちアルプス超えをする時に、山頂の雪をすくってシャンペンを冷やし、旅のスタートを祝うシーンのことだ。


大画面いっぱいに広がる雄大なアルプスの間に間にゆらゆら揺れながら漂う小さな気球。その画面にかぶさり、後にテレビの「兼高かおる世界の旅」のテーマ曲で有名になるヴィクター・ヤング作曲ヴィクター・ヤングオーケストラ演奏による「アラウンド・ザ・ワールド」がゆったりと奏でられる。とても思い出深いシーンだ。


気球から体を乗り出し落ちそうになりながら、カンティンフラスが山頂に積もった雪をすくいとる。


ハラハラしながらもあり得ない行動に思わず笑ってしまう。


この類の笑いが子供の頃から好きだ。


全編に笑いが充満する波乱万丈な旅を描いたこの映画の中でぼくが一番好きなシーンはほぼラストにある。


インディアンの襲撃にあいながら命からがら大陸横断鉄道でシカゴからニューヨークに到着したのは予約したイギリス行きの蒸気船が出港した45分後だった。


ボルドーに向かう小さな商船にリバプールまで向かってくれと申し出るが行先を変更することは出来ないと断られ、渋々乗船したご主人さまは乗組員を買収して船を買いとる。そして全力でリバプールに向かうために船内にある木材をすべて燃料にしてしまう。


燃やすものがなくなりほとんど骨格だけになった外輪船はリバプールに到着し、二人は急いでロンドンに向かった。


彼らがロンドンに着いたのは約束の時間を5分遅れた午後8時50分。


ご主人さまは全財産を失った。


しかし翌朝新聞を見た執事は狂気した。


今日が締め切りの日だったのだ。


緻密に緻密をかさねて周到に計画をたて、多くのトラブルを乗り越えてきたご主人さまはたった一つ大きなミスをした。


日付変更線だ。


かれらは東廻りで世界一周したために丸一日儲けていたのだ。


つまり今日の夜8時50分が締切時間なのでかれらは賭けに勝っていたのだ。


めでたしめでたし。


っで、ぼくがこの映画で一番好きなシーン。


大西洋上でついに燃料に使える木材が船内からなくなった。


ご主人さまは燃えさかるボイラーの口にステッキと山高帽を投げ入れる。


ステッキと山高帽は英国貴族の象徴。


それを投げ入れるということは敗北を意味する。


こどもながらも「素敵な演出だな~」とぼくはニンマリした。


その直後「リバプール港が見えたぞ~」という声が船内に響きわたる。


『80日間世界一周』は決して歴史に残る名画でもオススメ度の高い映画でもないけれど、ウェルメイドな作品だ。


ちなみにジュール・ヴェルヌは大の旅行嫌い。


ヴェルヌはこの小説を百科事典と時刻表と地図をもとに何ヶ月もの間一歩も外に出ないで書き上げた。


ようやく書き上げて散歩に出たヴェルヌに向かって近所の人たちはこう声をかけたという。


「おやおやヴェルヌさんお久しぶりです。今度はどこにご旅行でしたか?」

旅行嫌いは同じだがぼくの場合は日記とブログ(万歩計日和)とウィキペディアを元に100,000語を費やしてこれを書きました。




ってなところで、本日は店じまい。
また、明日。

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